【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「呪いなんかじゃないでしょう?」
これだけは、どうしても伝えたいんだ。
「だってそれは呪いじゃなくて、魔法の間違えだよ、虹くん」
「……っ、」
真っ直ぐに、虹くんの驚いた瞳を見つめて、私は微笑んだ。
「私がかけられたのは虹くんの魔法だよ。勇気も、元気も、温かさも、全部虹くんがくれたものだから」
離れて暮らすことになるけれど、どうかそれを忘れないで。
そして、一緒に過ごしたあの部屋を私が出る時、きっと私は笑顔でいられる気がするんだよ。
──“この先も黒田が笑っていられますように”
星降る夜に、虹くんが願ってくれたように。