【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「……ありがとうお兄ちゃん。私のこと、心配してくれてたんだね」



それに、お兄ちゃんの企てがなければ、虹くんのことを知らないままでいたかもしれない。


今、こうして再会を果たせなかったと思う。



「っ、俺は……母さんが、そのうち倒れるんじゃないかってことの方が心配だっただけだからな……」


「うん。わかってるよ、お兄ちゃん」



ここに来て、わかったよ。

お兄ちゃんは、とても不器用だ。

思い返せば、星祭りの時もそうだったもん。



──“たまには腹いっぱい食べろ”



冷血だと思っていたお兄ちゃんだけど、本当は誰よりも家族思いだったよね。



「……悪かったな。今までお前に、優しい言葉のひとつもかけれやれなくて」


「……う、ううん。私こそ。家族のこと遠ざけて、ひとりで引きこもって……でも、それももう卒業したよ!」



今度は、しっかり伝えることが出来た。


お兄ちゃんは目を丸くして驚いていたけれど。

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