【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「本来ならば向かい同士の部屋に割り振るつもりだったが、なんせ今年は入寮希望者が多かった。だから部屋数が足りなかった故のことだ。許せ」
……それが許してもらう人の態度か。
……そもそも職権乱用じゃないだろうか。
だから『ふたり暮らしをしてもらいます』なんて書いたの!?
今となっては、同じ部屋で過ごしたからこそ、わかったことばかりだけれど。
「……天沢虹。まさかとは思うが……期間中に妹を押し倒したりはしてないだろうな?」
「ちょっと……や、やめてよお兄ちゃん!!」
変なこと聞かないでよ……!
「するわけないですよ」
うんうん!!と私は高速で首を縦に振った。
だけど、虹くんは口角を上げてこう言った。
「俺、相当我慢したと思いません?」
虹くん……?
「我慢……だと?」
真顔だったお兄ちゃんの眉がピクリと反応した。