【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「こんなこと言ったら虹くんは怒るかもしれないけど、誰かと話すの……久しぶりで」
言葉に詰まる私に「ん?」と小さく答えてくれる。
「だから……ちょっと、嬉しいです」
ずっとひとりだったから。
全て忘れたくて、人生をリセットしたくてここへ来るまで。
久しぶりなのに、不思議と怖くない。
「バカ。怒るわけないだろ」
「ん……ありがとう。私、頑張るからね」
だから、新しい日々を送るためにも、ミッションだってちゃんとクリアしてみせるよ。
「ひとりで頑張らせるつもりないから。俺もそうする」
不器用な言い方なのに、なんだか心が温かくなった。
「お、おやすみなさい……っ」
「ん。おやすみ」
ハチャメチャな寮生活が始まったけど、誰かと一緒にいて、こうやって言葉を交わせる人がいるっていいなって。
……柄にもなく思った夜だった。