【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
ひとりごちりながら、昨日かけておいた制服をハンガーから外す。
この学園のいいところのひとつ!
制服が大きめの襟で、グレーのワンピースタイプになっていて可愛いのだ。
淡いピンクのリボンもお気に入り。
けど、この姿をお披露目したいお目当ての殿方がいないのが残念だ。
「まだ? もう行くけど」
「いっ、急ぐから! えと……後ろ向いてて!」
「は?」
「だって制服に着替えないと!」
私は大急ぎで部屋着のパーカーを脱ぎ出した。
「っ、おい……」
虹くんが焦ったような声をあげた気がしたけど、問題ない。
私のことを“女子”として認識していないことなんて把握済みだ。