【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
トイレだけは女子寮までの道のりを行き来するのはしんどいんです!
私だって、これでもまだ羞恥心というものを失ってはいないのだ。
だからこれだけは避けたかった。
けど、この前の夜、トイレに行く時も男子とすれ違いそうになって逃げ回った。
それはそれはお風呂に入った意味もないくらいに滝汗もんだった。
鬼すぎる難易度の高さに、虹くんにお願いする他なかったんだもん。
「……手洗ったの?」
「ピカピカですよ……っ。えと、ごめんね? こんなことまで手助けしてもらって」
「しょうがないだろ。ただし、連帯責任はごめんだ。だから夜中でも起こしていいから、ひとりで部屋抜け出すなよ」
「……は、はい」
虹くんは手の甲で口元を隠していた。
トイレなんかお供してもらったから、怒ってるのかもしれない……。
早くミッションクリアして、期限になれば、ひとり部屋になるかもしれない。
そしたら、虹くんを困らせることもないんだけどな。