【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
♡不意打ちハグ
「起きろって」
「んぅ……、」
……眩しい。
まだまどろんでいる私の視界に飛び込んできたのは、虹くんの気だるげな黒い瞳。
「この先ずっとこれが続くのかよ」
鼓膜を揺るがすのは、不機嫌な声。
「えぇぇ……っ、虹くん!? ちょっと、な……なにしてんの……っ」
目覚まし不要なほどパッチリと目が覚める優れもの……ではなく、効果をもたらすほどのイケメン。
それに、虹くんが私の上にまたがってるんだけど、これは何!?
「虹くん!? この前私にはそういう気起きないって証明してくれたのに……っ、てか相手は私だよ!?」
とち狂ってしまったとかではない……?
「相手がお前だから手ぇ焼いてんの。何回起こしたと思ってんだよ」
どうやらとち狂っているのは私らしい。
あまりにも近い距離。
虹くんの胸をぐっと押しやっても、虹くんは不機嫌を隠すことなく顔を寄せてくる。