【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
本音を言うと、どうしてか虹くんの瞳は驚きに染まっていた。
私、なんか変なこと言ったかな……。
「お前、もしかして──」
「っ、ま、待って虹くん!! こんな間近で私のことを見るなんて……もしや、虹くん……」
「……なんだよ」
「視力が悪いの?」
「は……」
「違うの!? じゃあ人間観察がご趣味で!?」
おかしいな、そんな虹色情報は聞いたことがない。
「両目1.5だけど?」
「うっ、負けた……私は1.2だ」
「視力なんかどうでもいい。ただ俺は黒田のこと、どっかで見たことある顔だなって」
その言葉に、胸がヒヤリと冷たくなった。
私の過去が頭を過ぎったから。
まさか、あるわけないそんなこと。
虹くんと出会っているわけがないことは、私がよくわかってる……。
「……それなら、よくいる顔って言われるよ!? 平凡中の平凡代表って言ってもおかしくないかも!!」
胸騒ぎがして、私はめちゃくちゃなことを発言しながら誤魔化した。