【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「どうしよ……そんなこと、虹くんファンに聞かれたら抹殺される……逮捕状発行じゃ済まないよ……っ」



頭に過ったのはプリンス親衛隊でもやってんのか?と思うくらいの女子の殺気に満ちた姿である。



「なんで? 特別扱いしてるから?」


「へっ……!?」



特別……って。


虹くんは一体どこまで私の心臓に負担をかけるの?


てか、特別扱いされてるの……?


虹くん、そんなもったいないセリフ、私に言っていいの……?



「もう行くけど、準備はいい?」



とてもそんなこと聞けるわけない私をよそに、ドアノブに手を伸ばす。



「……も、もし……捕獲されたらどうしよ」



トレーニングはしてきたつもりだ!

もちろんサイレントで。



「そんなことさせない」


「で、でも、私見つかるかもしれな……」


「俺がついてんのに?」



自信たっぷりに虹くんが口角を上げた。


扉を開けた虹くんの背中がとても頼もしく見えて、さっきまでの不安は少しだけ和らいでいったのだ。

< 94 / 369 >

この作品をシェア

pagetop