【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「どうしよ……そんなこと、虹くんファンに聞かれたら抹殺される……逮捕状発行じゃ済まないよ……っ」
頭に過ったのはプリンス親衛隊でもやってんのか?と思うくらいの女子の殺気に満ちた姿である。
「なんで? 特別扱いしてるから?」
「へっ……!?」
特別……って。
虹くんは一体どこまで私の心臓に負担をかけるの?
てか、特別扱いされてるの……?
虹くん、そんなもったいないセリフ、私に言っていいの……?
「もう行くけど、準備はいい?」
とてもそんなこと聞けるわけない私をよそに、ドアノブに手を伸ばす。
「……も、もし……捕獲されたらどうしよ」
トレーニングはしてきたつもりだ!
もちろんサイレントで。
「そんなことさせない」
「で、でも、私見つかるかもしれな……」
「俺がついてんのに?」
自信たっぷりに虹くんが口角を上げた。
扉を開けた虹くんの背中がとても頼もしく見えて、さっきまでの不安は少しだけ和らいでいったのだ。