【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
* * *
部屋を出ると、当然だけどこの『魔女の住む棟』の廊下の電気は消されていた。
夜の帳が降りる中、虹くんが照らしてくれるスマホのライトだけが頼りだ。
前方に敵はいない……っ!
よし、クリア!
「虹くん虹くん! 誰もいないよ!」
コソコソと小声で呼びかけて、手を振りながら合図する。
部屋の前の階段へと踏み出した私だったけれど、
「黒田が先陣切らないで」
「大丈夫だよ……っ、今回の私は軍曹の設定だから!」
「……軍曹でもダメ。おとなしく俺の後ろにいてくれる?」
「はい……」
圧を感じたので従った。
……だよね。
こんな暗がりの中じゃシークレットサインも伝わらないんだから、虹くんに従った方がいいに決まってる。
虹くんについていくように、そーっと階段を降りていく。