【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2
「ねぇ虹くん……なんで、私達の部屋は魔女の住む棟って名前なのかな?」
慎重に一歩一歩降りる虹くんに、ヒソヒソッと問いかけてみる。
「さあ。昔からある寮みたいだし、そういう名前つけたんじゃないの?」
「……うーん。それにしては、私と虹くんの部屋だけ閉鎖的っていうかさ」
707号室だけ、他の部屋とはずいぶん離れた場所にポツンとあるんだもん。
……気になっちゃう。
「それこそ昔、何かの目的のために造られたりして……?」
「あと少しだから静かにして」
「すみません……」
私は自ら口を押さえて相槌を打った。
この階段を降りれば二階に着いて、『王様の棟』へと辿り着ける。
第一難関突破も、もう目前だった。
だけど、そんな簡単じゃないことを今に思い知ることになる。