きっと、月が綺麗な夜に。
今日の6限目は中学の現国の授業で終わり、マンツーマンの授業の相手のケンゴは、終わった瞬間いそいそと荷物をまとめて帰り支度を始めていた。
「どうしたのケンゴ、そんなに急いで」
そんなケンゴに声をかけると、当の本人は顔を上げたかと思えばニタリ、と勝ち誇ったような顔で笑う。
「これからデートなんだもんね、美矢ちゃんと」
「デ……!?受験生のくせに」
「あ、今焦った?焦ったでしょ、余裕ないこじろう初めて見たー!」
子供の言うことに下手に動揺してなるものかとぐぐ、と喉元に力を入れるけど、好きだと気づいてしまった自分の揺れる気持ちは上手く隠せない。
「半分嘘だけどね。これから一旦帰って機材整えたら美矢ちゃんに外で弾き語って貰うんだよ。動画編集の練習も込めて、撮らせて貰えるんだ」
「そ、そうなんだ。良かったね。あんまり遅くまで遊んだらダメだよ」
「分かってるよー!ちゃんと受験勉強もするし、動画編集は毎日1時間までって決めてやりますーだ!」
美矢が撮影許可を下ろしたことに少し驚いたが、ケンゴに協力するって言っていたし、多分、そういうことなんだろう。
晩ご飯の時にでも、出来事をゆっくり聞いてみよう。
「どうしたのケンゴ、そんなに急いで」
そんなケンゴに声をかけると、当の本人は顔を上げたかと思えばニタリ、と勝ち誇ったような顔で笑う。
「これからデートなんだもんね、美矢ちゃんと」
「デ……!?受験生のくせに」
「あ、今焦った?焦ったでしょ、余裕ないこじろう初めて見たー!」
子供の言うことに下手に動揺してなるものかとぐぐ、と喉元に力を入れるけど、好きだと気づいてしまった自分の揺れる気持ちは上手く隠せない。
「半分嘘だけどね。これから一旦帰って機材整えたら美矢ちゃんに外で弾き語って貰うんだよ。動画編集の練習も込めて、撮らせて貰えるんだ」
「そ、そうなんだ。良かったね。あんまり遅くまで遊んだらダメだよ」
「分かってるよー!ちゃんと受験勉強もするし、動画編集は毎日1時間までって決めてやりますーだ!」
美矢が撮影許可を下ろしたことに少し驚いたが、ケンゴに協力するって言っていたし、多分、そういうことなんだろう。
晩ご飯の時にでも、出来事をゆっくり聞いてみよう。