きっと、月が綺麗な夜に。
「そういえば、とらの腕、どうなの?」
「うん?ああ、案外大丈夫だよ。傷跡は残るだろうけどね」
大皿に残ったおかずを自身の取り皿に綺麗に盛った美矢は、目線の先に入った包帯の巻かれた僕の右腕の肘から少し上をじっと見つめ、思い出したかのように尋ねる。
「まあ、元々傷はあったから、ここ。傷跡残っても別に平気」
「あ……だから7分丈、いつも」
「そうだね。でもまあ、うーん、来年の夏からは7分丈、卒業しようかなあ。年々気温上がってて生きづらいし」
前に僕に「こだわりか知んないけど涼しい格好しなよ」なんて言ってしまったことを思い出したのか、いつもより更に小さくなった美矢の声に、出来る限り優しく答える。
すると、間髪入れずに「ええ!?」と驚いた声を返してのは、爪切りに悪戦苦闘していたりょーちゃんで。
りょーちゃんのその声に驚いたクロミはぱぴゅん、と物凄いスピードでりょーちゃんの膝から退いて遠くへ逃げて、顔を前足でふにふにかいて毛繕いをし始めてしまった。
「あーあ、びっくりしちゃったなー、クロミ」
「いや、びっくりしたのは俺なんだけど!とら、平気なの?」
僕の昔のことを全部知っているりょーちゃんは複雑そうな、色んな感情が入り交じった声で僕に尋ねる。
「うん?ああ、案外大丈夫だよ。傷跡は残るだろうけどね」
大皿に残ったおかずを自身の取り皿に綺麗に盛った美矢は、目線の先に入った包帯の巻かれた僕の右腕の肘から少し上をじっと見つめ、思い出したかのように尋ねる。
「まあ、元々傷はあったから、ここ。傷跡残っても別に平気」
「あ……だから7分丈、いつも」
「そうだね。でもまあ、うーん、来年の夏からは7分丈、卒業しようかなあ。年々気温上がってて生きづらいし」
前に僕に「こだわりか知んないけど涼しい格好しなよ」なんて言ってしまったことを思い出したのか、いつもより更に小さくなった美矢の声に、出来る限り優しく答える。
すると、間髪入れずに「ええ!?」と驚いた声を返してのは、爪切りに悪戦苦闘していたりょーちゃんで。
りょーちゃんのその声に驚いたクロミはぱぴゅん、と物凄いスピードでりょーちゃんの膝から退いて遠くへ逃げて、顔を前足でふにふにかいて毛繕いをし始めてしまった。
「あーあ、びっくりしちゃったなー、クロミ」
「いや、びっくりしたのは俺なんだけど!とら、平気なの?」
僕の昔のことを全部知っているりょーちゃんは複雑そうな、色んな感情が入り交じった声で僕に尋ねる。