きっと、月が綺麗な夜に。
そんな僕たちの掛け合いを楽しそうに眺めていた武明先生は、その大きな長い腕で僕らの肩をがし、と掴んで粗く引き寄せた。
「わはは!今日はとらちぃがよく笑う!みゃあ子くんがこの島に来たことは、それだけで良いことな気がしてならないよ!」
別に、普段から全然笑わないわけじゃない。子供相手の仕事だし、表情は柔らかくいようと気を配っているつもりだ。
けれど、武明先生の言うように声を出して、頬や腹筋や肺が痛くなるまで笑うのは、もう何年ぶりか分からないくらいに久しぶりのことな気がする。
「……じゃあ、許す。確かに、とらは表情は穏やかだけどなんていうか、僕は闇属性ですーって感じのしみったれた面してるようにも見えてたし」
「失礼な子だな君は。君だってどちらかというと表情薄いじゃないか」
「わはは!どっちもどっちだな!さて、たくさん釣ろうじゃないか!」
抱き寄せられていた肩を離され、今度は背中を大きな掌でトン、と叩かれて体がよろめく。
美矢はよろめくどころか少しばかりその小さな体を吹っ飛ばされて、武明先生をじとっとした瞳で見た。
「ちょっと、少しは考えてよ。あたしチビだし女だから危ないんだけど」
責められて尚わはは、と豪快に笑う武明先生に、美矢はどんな感情なのかよく分からない顔で猫背のその体をぶるり、と震わせた。
「わはは!今日はとらちぃがよく笑う!みゃあ子くんがこの島に来たことは、それだけで良いことな気がしてならないよ!」
別に、普段から全然笑わないわけじゃない。子供相手の仕事だし、表情は柔らかくいようと気を配っているつもりだ。
けれど、武明先生の言うように声を出して、頬や腹筋や肺が痛くなるまで笑うのは、もう何年ぶりか分からないくらいに久しぶりのことな気がする。
「……じゃあ、許す。確かに、とらは表情は穏やかだけどなんていうか、僕は闇属性ですーって感じのしみったれた面してるようにも見えてたし」
「失礼な子だな君は。君だってどちらかというと表情薄いじゃないか」
「わはは!どっちもどっちだな!さて、たくさん釣ろうじゃないか!」
抱き寄せられていた肩を離され、今度は背中を大きな掌でトン、と叩かれて体がよろめく。
美矢はよろめくどころか少しばかりその小さな体を吹っ飛ばされて、武明先生をじとっとした瞳で見た。
「ちょっと、少しは考えてよ。あたしチビだし女だから危ないんだけど」
責められて尚わはは、と豪快に笑う武明先生に、美矢はどんな感情なのかよく分からない顔で猫背のその体をぶるり、と震わせた。