きっと、月が綺麗な夜に。

柔らかな右手



美矢が来て3日目の朝。今日は朝の1本目の船に乗り本土へ向かうことになった。もちろん、美矢も一緒にだ。

船で30分、それからシャトルバスで最寄り駅へ30分、更に車で1時間程度のところに、僕の島の所属する県で1番都会な所へとたどり着く予定だ。
船の最終が17時30分だから、時間に余裕を持つことを考えると滞在時間は4時間程になるだろう。

元々は僕1人で、洋服やらの日用品の買い出し目的で計画を立てていたことだったが、美矢の必要最低限の荷物量に必要なものを買い足さなければならないだろう、ということで、島から連れ出すことにしたのだ。

これが男だったら僕1人でもいいのだろうが、さすがに女の子となると、男では分からない買い物もたくさんあるだろう。

如何せん離島なため、インターネットを使っても買い物をするのは不便だ。


僕は高校が本土の1番都会に近い場所、大学は東京都内だったから島の良いところ、悪ところの両方を分かって島に戻ったから良いが、美矢はまだ馴染むのも大変そうだ。
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