一匹狼くん、 拾いました。弐
玩具。
「ミカ、もうすぐテストだけど、お前授業ついていけてんの?」
放課後。帰り支度をしていると、スクバを肩にかけた仁がそんなことを聞いてきた。
「……なんとかな。これからは勉強ちゃんとするつもり。留年とかだるいし」
「……!
前はどうでもいいって言ってなかったか」
目を見開いた後、仁は笑って言う。
「……そりゃ、生きててもしょうがないって思ってたからな」
そう言い、俺はスクバを肩にかけて、仁と一緒に教室を出た。
親父が刑務所にいってから、三ヶ月がすぎた。 今は七月の末頃で、あと一週間くらいで、期末テストがある。
「……思ってたってことは、今は考えてないんだな?」
「……まぁ、否定はしねぇよ」
「ククッ、そうか」
笑いながら、仁は俺が被っているパーカーのフードの上から頭を撫でてくる。
「……やめろよ」
「はいはい」
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