一匹狼くん、 拾いました。弐

「俊平様、私は貴方のことを心配して……」

 露麻の頬を殴り、息を切らしながら俺は叫ぶ。

「こっちはあんたに心配なんて、死んでもされたくないんだよ! あんたがあの日父親にちゃんと反対してれば、俺は今頃岳人や楓と笑いあってたんだよ!

 それに、十年前俺を犬扱いした父親を見て、あんたは笑ってた!!あんたは父親の命令で、俺に散々暴力を奮った!それなのに、今更すみませんだって? 心配してるだって? ふざけんじゃねぇよ!! 後悔するくらいなら暴力なんて奮うんじゃねぇ! こっちはあんたと父親のせいで心も体もボロボロで、生きるのも必死なんだよ!!」


 八つ当たりするみたいに、思いのまま叫んだ。

「……俊平様」

「頼むからもう帰ってくれ」

 そう言い、俺は顔をふせ、アタッシュケースを露麻の胸に押しつけた。
 
 露麻はアタッシュケースを受け取ると、何も言わず去っていった。


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