一匹狼くん、 拾いました。弐
「……そうなのかもしれないな。あんなクソみたいな親でも俺の親だし。五歳くらいの時までは俺に優しい笑顔向けてたの記憶には少ししかないけど、アルバム見ればわかるし。
心のどっかでさ、いつか優しくしてくれるって信じてたんだ。
……バカみたいだよな。ゴミ以下だって言われたのに」
自重気味に言う。
「バカみたいじゃねぇよ。普通のことだ」
そういい、仁は俺を抱きしめる。
「……俺、ムカつくんだよ。あんな父親なのに、クソ野郎だって分かってたのに、本当にゴミ以下みたいな扱い受けてショック受けた自分が、一番腹立たしい」
涙が頬を伝う。悲しいから流れているのだろうか。あんな父親でも、俺はあの人が大事で、好きだったのだろうか。