一匹狼くん、 拾いました。弐

「ミカ、本当にこれで良かったのか? 辛くなるのは、ミカなんだぞ?」

 首を傾げて、心配そうに結賀は言う。

「……大丈夫。俺は生きてる楓とこのまま会えないことの方が辛いから」

「そっかそっか。何かあったら相談乗るから。いつでも」

 そういって、結賀は笑った。

「うん、ありがとう」

「……っ」

 目に手を当てて涙を拭っている仁を、結賀はそっと抱きしめた。

「頑張ったな、仁。頑張った頑張った」

 仁の頭を撫でて、結賀は笑う。

 仁は何も言わず、コクリと頷いた。

 仁がいるとこで、楓と話をしない方が良かったのだろうか。

 でも、仁が気にしないでって言ったのに、気を遣うのも変だよな。

 気にしないでって言ったのはたぶん俺のためだろうけど、だからって俺が仁に気を使うべきではないだろう。

 そんなことをしたら、仁が傷つくかもしれないし。

「……じっ、仁」

「ミカ、仁のことは俺に任せて欲しい。大丈夫だから」

「わかった」

 確かに結賀が仁を好きなら、結賀に任せた方がいいよな。
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