一匹狼くん、 拾いました。弐
「お前、今更何しに来た」
倉庫の出入口にいた露麻を、結賀は睨みつける。
「俊平様! よくご無事で!」
「しっ、芝居はいい。どうせ露麻は俺を気の毒にしか思ってないんだろ。なんの用だよ」
露麻から顔を背け、俺は言う。
「……俊平様、貴方に会わせたい人がいらっしゃいます」
「ミカ、やめた方がいい。たぶん、ろくなことが起きないぞ」
結賀が小声で言ってくる。
「……誰だよそれ」
俺は躊躇いながらも言った。
「貴方が死んだと思っている方です」
「どういう意味だ」
「……立花楓は、生きています」
「は?」
思わず疑問符が声になって現れた。楓が生きてるだと?
「見た後の方が理解できると思うので、一度ついてきていただけませんか」
「……わかった。ただし、華龍に居るヤツらと葵も連れていく。それでいいな?」
「わかりました。では、私は外で待ってますので」
「……あぁ」