一匹狼くん、 拾いました。弐

「結賀っ、なんで」

「はぁ。……そんなのミカが友達だからに決まってんだろ?ミカ、俺達はミカの親じゃねぇし、ましてや親の代わりになるなんて無理だけどさ……ミカの親の何十倍もミカのことを想ってるから。それだけはずっと変わんねぇから」

「結賀……」

「つーか、ミカは俺達のだから。ミカが泣いて絶交だって叫んでも俺達はそばにいるから。まぁそんなのしないってわかってるけど」

 仁はそんなことをいって、俺の頭を撫でた。

「……仁」

「ん?」

「そばにいて、ずっと」

「ハッ、そんなの当たり前だろ」

 俺の頭をグシャグシャにして、仁は笑った。

「……結賀も、そばにいなきゃ許さない」

「ああ。もちろんだ。俺達はずっとそばにいるから」

「ずっとそばに……」

 葵の言葉が頭をよぎる。

『……俺はなぁ、お前が汚れてるとか、汚れてないとか、そういうのどうでもいいんだよ!俺はお前に触れたら体が腐るとしても、たとえお前が伝染病にかかってて、そばにいたら早死するハメになるとしても、ずっと一緒にいたいんだよ!!』

 葵もずっと、そばにいてくれるもんだと思ってた。

「うっ、うあっ……葵っ」

 仁の胸に顔を埋めて俺は泣き喚いた。

 
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