小説家の妻が溺愛している夫をネタにしてるのがバレまして…
ホラー特集のあと
「うっ…うぅ……」
「こんなになるなら見なければ良かったのに」
「だって気になったから…!」
夏の特番『本当にあったかもしれないホラー話』を見た詩乃ちゃんは、1人で眠れないからと言っていつの間にか僕の布団の中に潜り込んでいた。
僕の性格が悪いのはもう既に知られているし、今更隠すつもりもないんだけど、きっとこの機会を逃さまいと僕が企んでいることを横で寝ている愛しい妻は気付いていないだろう。
《フゥー》
「ひゃっ!…っ…突然息吹きかけないで!!」
「っ…ははっ」
この無防備な感じが何とも言えないし、反応ひとつひとつが可愛くて辞められない。
「ねね、なんで壁の方向いてるの? 僕の方見てよ」
「だって…!目の前が壁なら視界に変なの映らないもん!」
「………ふ〜ん…」
背中を向けて眠ろうとしている妻を背後から抱きしめている体勢。全く僕の方を振り返ろうとしないから、少し面白くなかった。
だから…。
ちょうど手元にあった詩乃ちゃんの柔らかい膨らみを優しく揉み始めた。
「っ…うっ………な、に…?」
この反応は喜んでる。
声を殺していても微かに疳高い声が漏れて、息が少し上がっていて…。
「……ベッドに潜り込むってことは、こういうことされたかったの?」
「ううん…ちがっ…あっ…あぁ…」
「ふっ…我慢しないで聴かせてよ。」
うなじにキスをすると、ピクリと肩が震える。詩乃ちゃんは首筋が弱い。特に、左側よりも右側が。
キスマークが付かない程度に柔らかく吸い上げ、何度も何度もわざと音を立てて舐めた。
「ん…あ、あぁ…んぅ…」
「……喘ぎ声…エロ…」
病みつきになりそうだった。
明日は仕事で朝が早い。引き返せなくなる前に、やめなきゃいけないのに。
いつも詩乃ちゃんはそうさせてくれない。
「向く…から…。一回離れて…」
言われるがまま離れて、身体と身体の間に距離ができると、妻は寝返りを打って顔を合わせてこう言う。
「……チュー…しよ…?」
何か張り詰めていた糸が切れるような感覚。
気づけば強引に無我夢中になって僕は舌を絡めていた。