ずっと君の隣で笑っていたい
僕は馬を引いて、草原を歩きます。そろそろ休憩時でしょうか、僕のお腹がなりました。

「……」

僕は近くの岩に腰を下ろして、懐から取り出したおにぎりにかぶりつきます。

僕の乗っている馬は、のんびりと草を食べ始めました。僕には、美味しいのかは分かりません。

「……多分、もうすぐで兄上に会えます。そんな気がするんです」

馬を撫でながら、僕は呟きました。近くでは、狼煙が上がっています。多分、あの近くでは戦が起こっているのでしょう。

「……行きましょうか」

僕は馬に飛び乗って、馬を走らせました。僕の長い髪が、風でなびきます。馬を走らせていると、何かの陣地らしきものが見えてきました。

旗に描かれている家紋を見るかぎり、あれは源氏の陣地です。もしかしたら、兄上に会えるかもしれないですね。

「貴様は、何者だ!ここは、源 義経様の陣地であるぞ!」

薙刀を持った大男が、僕を警戒しています。……まぁ、警戒して当然でしょう。

「……僕の名は、白若(しろわか)!源氏の生き残りです!」

ダメ元で、そう言いました。

「……何!?白若となっ!?」

陣地の中から、1人の男性が飛び出してきます。

「よ、義経様……?」

「あぁ……我が弟よ!会いたかったぞ!」
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