ただ恋愛したいだけ。
「「よっ!いらっしゃいませ!!」」


お、おぉ…、私はその掛け声に圧倒された。


柚杏のバイト先、というのは大学の近くの居酒屋だった。


大学の近くなので、やっぱりお客さんも大学生らしき人が多い。


「あ!菜桜きたきた!こっちだよ〜」


少し戸惑っていると、働いていた柚杏が駆け寄ってきてくれた。


まだ夕方でお店は混んでなく、余裕があったみたいで柚杏は店長のもとに案内してくれた。


私は柚杏に言われるがままについて行った。


事務所?らしき部屋に入る。そこには店長らしきイケてるおじさんが、パソコンと向き合っていた。


「店長〜、友達連れてきました〜!」


柚杏が声をかけると店長が振り返る。


私は緊張しながらも挨拶した。


「林 菜桜です。よ、よろしくお願いします…!」


「お!待ってたよ〜。緊張してる??大丈夫だよ〜笑。座って座って!柚杏ちゃん連れてきてくれてありがとね〜。」


ダンディーな顔つきだけどなんだか明るくて優しそうな店長だ。


「いえいえ〜。」


そう言って事務所を出ていく柚杏を見送ってから私は席に着いた。


「し、失礼します。」
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