Tear Song〜君のために〜
「おお、来た来た!!やっぱり都会に行くと人間オーラとか変わるもんなんだな」

空港に迎えに来てくれたアイツが笑う。あたしは「馬鹿なこと言ってないで、荷物くらい持ってよ」と言った。アイツはいつもより幸せそうな顔で「はいはい」と言う。

少し見ないうちに、またかっこよくなっていた。耳にピアスが揺れていて、外見だけはクールなかっこいい人だ。結婚式でタキシード、とても似合ってるんだろうな。

空港を出てからレストランでアイツから結婚する相手を紹介された。相手は嬉し涙を浮かべて喜んでいる。本当ならファンが目の前にいてあたしも嬉しいはずなのに、いつものように振る舞えていないような気がした。でも、幸せなあの二人にはそんなもの関係ないみたいだ。

その後、アイツの結婚相手は明日も仕事があるからという理由で帰って行き、あたしはアイツの家にお邪魔することになった。アイツが「宅飲みしようぜ!」と誘ってきたから。
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