2回目のエンゲージ~ハッピー・エンドの その先に~
だけど、結婚してからもずっと。
夫は私に、『愛してる、必要だ』と伝え続けてくれていた。
信じきっていたからこそ、今さら浮気とかされたら、立ち直れない…
そう思って俯くと、片頬をムニッとつまみ上げられた。
必然的に、夫の方を向く形になる。
「今変なこと考えてるだろ?!
絶対ないから!!
そうだな───子供達が部屋に上がったら、教えるよ。
ていうか、聞いてほしい」
真剣な表情。
少なくとも、きちんと話してくれるのだ。
「わかっは(わかった)」
頬をつままれたまま答える私の顔を見て、息子が吹き出すのが見えた。
「ぶあっは、父さん何してんの!
母さんひどいことになってる!!」
力一杯むっとして、爆笑する息子を睨み付け、夫の手を外す。
言い方!!ひどいとはなんだ!!
そして、さりげなく笑ってるのは知ってるぞ、娘達!
私は大きく息を吸った。
「──さっさと部屋に上がって、宿題しなさーい!!」
ちょっとご近所迷惑な声量で、私は叫んだのだった──