2回目のエンゲージ~ハッピー・エンドの その先に~
私ははっとした。
そうだ、返事してない。
──でも、いい加減なことは言いたくない。
我ながら不器用だけど、心からの言葉には、きちんと心からの返事をしたい。
私は思考の淵に沈む。
来世、というものが、本当にあって。
私も夫も、顔形が違って。
出逢えるかどうかもわからなくて。
───でも───
「──私ね、きっとわかると思うの」
「ん?何が?」
「顔形が違っても、出逢えたなら。
きっと、貴方の魂を見つけられる。
だから、もしまた出逢えたなら。
私は、あなたを選ぶわ。
だからね、貴方も、私を見つけて。
また私を選んでくれたら…嬉しいな」
ちゃんと眸を見て、泣き笑いの表情で。
答えを返す私に、夫は凄絶に微笑んだ。
「この俺が、君を見失う訳がない」