2回目のエンゲージ~ハッピー・エンドの その先に~



暫し考え、プッと吹き出した。

「凄い自信ね。私も見習わないと」

「違うよ、自信なんかじゃない。
絶対見つけるっていう決意と覚悟だよ。

そうでも思ってないと気が狂いそうだから」

ちょっと落ち込んだ感じで、苦笑しながら夫が言う。

「多分、俺の魂の半分は君でできていて。

もしなくしたりしたら、ずっと探さなきゃいけないんだってわかる。

そして探してる間、ずっと飢えて渇いていないといけないんだってわかる。

だから、絶対出逢えると思ってないと、やっていけない」


私は、そっと夫の頬に触れた。

「貴方が見つけられなくても、きっと大丈夫よ」

「どうして?」


心細そうに私を見つめる夫に、私は微笑んだ。

「だって、私が見つけるもの」

心から、そう思う。
私には、きっとできる。確信に近い何か。


夫は、満足そうに息を吐いた。
そして、見とれるような微笑み。

私は、勝ち誇って告げた。


「ほら、やっぱり私の勝ちね!」

「何が?」

怪訝そうに聞き返す夫、その表情が、とても愛しい。

「私の方が、貴方をたくさん愛してるの!!」

「……それは納得いかないな。異議あり!!」



お互いに散々言い合って、二人でクスクス笑いだす。

こんなひとときを、宝物のように大切に胸にしまって。

ずっと変わらないものなんて、この世界に何一つないから。

もし、『生まれかわり』というのが、本当にあるなら。

今世はもちろん、来世も、その次も。

もっともっと、貴方を愛していく。

きっと、貴方も同じ気持ちのはず。

その確信が、お互いにあることがわかる。

だから───


──ハッピー・エンドの、その先には。

────『永遠』が、あるんだね───



fin
< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop