オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
朝、起きて居間に向かうと早朝ランニングを終えシャワーを浴びた大地くんが、あたしの朝食を準備してくれていた。
デジャヴ。相変わらず仕事がはやい。
「おはよ」
なんでお休みの日もこんなキビキビ動いてるの。
「着替えて顔洗ってこい」
ねえ、昨日のこと。
どのくらい覚えてる……?
"17のクセに。女しやがって"
ちゃんと、あたしのこと女の子って思ってくれてるんだね。
山田さんにヤキモチ妬いちゃうくらい、好きなんだね!
「ねえ。今日どこいくの?」
「夕方までに帰って来られるならどこでも」
でた、門限。
夕方ってなに、小学生よりはやいじゃん。
「遊園地!」
「これまたベタな……」
「どこでもいいって言ったのは大地くんだよ」
「よかろう」
「ほんとに?」
「今からなら十分間に合う」
「あ、でも」
「どうした」
「二日酔いとか、大丈夫? あんまりヒドいとアトラクション乗れないよね」
年末で混んでるだろうし、人混みは避けた方がいいかな。
「別にそんな残ってねえよ」
「え?」
「弱くねえし。記憶だって。バッチリ……」
「覚えてるの!?」