オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

「バカとはなんだ」

 やってきた大地くんを、モトナリが見上げる。
 というよりは睨み付ける。
 コラ、ガン飛ばすな!

「心配しないでいいよ。大地には、ちゃんと美香ちゃんのこと守らせるから」
「……失礼ですが。成人されてますよね」
「あ?」
「未成年と交際するのは問題あると思いますが。そのあたりは、どのようにお考えで?」

 えええ、ちょっと。
 なに言っちゃってくれてるの。

「交際していない」

 うん。知ってる。

「良識の範囲でしかな」

 ド健全だよね!
 あたしは、いつでも不純異性交遊したい!

「オトナになったら。そんときは、まること貰うけど」

 ――――!

「そうなると。お前は俺の弟になんのか」
「……あ、頭おかしいんですか」

 モトナリがうろたえる。
 珍しいな、なにごとにも動じないような子なのに。

「美香さんはまだ、17ですよ」

 もうすぐ18だもん。

「女子高生、口説いて。恥ずかしくないんですか」
「どっちかと言うと俺が口説かれっぱなしだ」
「品がない。……これまで交際していた男性に比べて」
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