オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
「ないものねだり、かもね。美香にとって異色すぎた。恋とはベツモノって可能性は?」

 ベツモノだとしたら、はやくその正体を教えて欲しい。
 いつまでも原因不明なモヤモヤした気持ちが自分の中にあるのは、もどかしいし変な感じがするから。

「ねえ。ひょっとして、あたし。重かったり……する?」
「今頃気づいたか」
「え゛っ」
「でもまあ、男の多い職場だから女の子との出逢いは、わりと貴重だと思うよ」

 あたし、重いの!?

「しかも美香が相手でしょ。そこらのアイドルより可愛い顔してて。少女のようで、年上をも魅了する色気を持っていて。そして最大の武器である、その胸よ」

 あたしの一番の価値、おっぱいなの?

「本音は嬉しいんじゃない? 態度に出せないだけで」

 そもそもに、あの大地くんが女の子にデレデレしてるとこ想像できない。
 あたしにときめいてくれるなんてことも、微塵も感じとれない。

「ただ、やっぱり女子高生って壁は大きいと思うんだよね。指一本たりとも触れらたらタブーというか。背徳感あるでしょ」
「ねえ。JKってブランドだよね」
「んー?」
「ありのままで攻めるべきなんだよ」
「その心は」
「だってさ。えっちな本とか動画で制服モノいっぱい世にでまわってるじゃん。つまり。それなりに需要が――」
「やめなさい」
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