オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

「パパは。大地くんとあたしのお付き合い、許してくれるってこと？」
「そうかもしれませんね」
「そっか。……パパが」

　あたしのこと、どうでもよくなかったの？

「で。モトナリは。あたしと、どうなりたいの」
「できるものなら。想い合いたい」
「ふーん」
「信じてませんね？」

　そんな真っ赤な顔されちゃ、信じないわけにもいかないけど。

「モトナリの気持ちには応えられない」
「僕がガキだからですか」
「んーん」

　モトナリは、きっと、あたしを大切にしてくれる。
　直すべきとこはありそうだけど根は悪い子じゃないってわかる。

　5年後にすごくカッコよくなっているだろうな、とも思うよ。でもね。

「あたしが大地くんじゃなきゃダメだから」

　他の誰でもない大地くんと一緒になりたいの。

「ありがとね」
「え？」
「気持ちを伝えるのって、勇気いるよね。重ければ重いほど」
「……重いですか、僕は」
「かなり」
「っ」
「でも、嫌な気はしないよ」

　もっとはやく言ってよ。

「あたしはモトナリのこと。家族として好きだよ」
「……複雑です」
「なによ。実はずっとあたしのこと好きだったとか、健気じゃん。萌える」