オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
 ドクン、ドクンと大きく心臓が波打つ。

「ふあっ……」

 大地くんの指が、あたしの首もとに触れる。

「声出すなよ。海月に聞こえる」

 ~~っ!

「だ、大地く……」

 なにしてるの、ねえ。

「くすぐったい!」
「もう降参か」
「な、なんで?」
「触って欲しいんだろ」

 思ってたのと違う……!

「あは、ダメ、しんじゃう」
「ギブアップならそう言え」
「やだあ」

 小さな子供にするみたいに、カラダを、くすぐられる。

「意外にガマン強いな」
「だって。なんか。……だんだん心地よくなってきたっていうか」
「オイ」
「んっ……はあ」
「ンな声出すなよ。いかがわしいコトしてるみてえじゃねーか」
「いかがわしいこと。……したい」
「もう黙ってろ」

 口の中に入ってきたのは、大地くんの指。

「ん……ふぁ」
「どんな顔でしゃぶってんだか」

 部屋が、真っ暗でよかった。

「大地くん。キス」
「もう少しの辛抱だろ」
「今したい」
「ガキ」
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