オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

「大地くんとの。……愛の結晶」
「こっぱずかしいこと声に出すな」

 でも、奇跡の連続なんだよね、きっと。
 コドモが無事に産まれることも、成長してオトナになれることも。

 当たり前なんかじゃない。

「大地くんとあたしの赤ちゃんならさ。美男か美女になるよ絶対」
「お前に似たら。とびきりの美人になるな」
「……あたしって。美人?」
「今更だな。余裕で自覚あんだろ」
「言ってくれたことないじゃん」
「散々言われてきたろ」
「大地くんの口から聞かなきゃ意味ないし」

 かわいいって死ぬほど言われたい。
< 159 / 201 >

この作品をシェア

pagetop