オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

「あっ」

 突然まぶしい光がさしこんできた。

「停電。なおったね」
「……らしいな」

 わあ。
 大地くんが、あたしを見下ろしてる。
 このまま抱かれてしまいたい。

 けど、おかしいな。
 あたし電気のスイッチ入れてないよ?

「だーいーち」

 部屋の入口に視線を向けると、海月さんが立っているではないか。
 電気をつけたのは海月さんだったんだ。
 笑顔が引きつっている。

「急いで帰ってきたのは。こういうことするためだったのかな~?」
「……誤解だ」

 ベッドに横たわるあたしに覆い被さる大地くん。
 どう見てもこれからイチャイチャする感じ。というか、してた感じ。

 実際は、ただ、こちょこちょされていただけなんだけど。

「あんたの覚悟は。その程度か」
「ちげぇ」
「まあ。私は。ここまできたら、止めないけどさ」

 止めないんですか。

「結婚するまでは。……ゴムしなさいよ?」
「ヤらねーよ」
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