オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
 だったら、どうすればいいの。

 ストレートに誘ってみる?
 でもこれじゃ好きなのバレるよ。
 いやもうバレてる?
 っていうか、ねえ、あたしは大地くんが好きなの……?

『あいたいよ』

 夜、自室で、仰向けにベッドに横たわり、スマホで書いた文章をまじまじと眺める。
 なにこれ。
 いやいやいや。

「無理。こんなの、送れるわけない……あ゛っ!?」

 スマホが手から滑り落ちそうになり、キャッチする。
 危うく顔面に直撃するところだった。


「はあ。もう寝たかな。……大地く……」


【送信完了】


 ――――しまった

 消そうと思ったメールを、誤送信しちゃったらしい。

「嘘だ。待って……えええ」

 終わった。
 これであたし、重くて、面倒くさくて、子供だって思われて。
 それで。

 自然消滅するんだ。
 あああああ。

 取り消したい。

 いっそ、出逢ったあの瞬間から、全部。
 こんな苦しい想いするくらいなら知り合わなきゃよかった。

 あたしにキョーミないなら連絡先なんか交換しなきゃいいじゃん。
 返事だって最初からするな。

 中途半端に優しくするのが一番ヒドイ。

 バカバーカ、さいてい!
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