オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
「さっきも言ったが。俺は。妻が生きていてくれて嬉しい。……たとえ、これまで通り生きられなくても」
それは、マキノのエゴなのか。
「会いにいってあげなよ。髭剃って。シャツにはアイロンかけてさ」
「うっせ」
それとも真実の愛なのか。
「ハメはずしすぎんなよ」
「その点なら大地くんは呆れるくらいガードかたいから心配ないよ」
むしろ崩して欲しいくらいだ。
「そういうヤツほどタガが外れると危ねえんだ」
「ふーん。じゃあマキノは安全だね」
「どういう意味だ」
「見るからに危ない」
「そうかよ」
「寂しいとき。話し相手くらいになら、なったげる」
「いらねーよ。お前が寂しいだけだろ」