オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

 ほんとは一日かけて祝ってやるべきなんだろうな。
 どうしても休めず、結局渡すのがギリギリになった。

 いいもん貰い慣れてるお前に渡すプレゼントのハードルの高さと言ったら。

 不意打ちという名の付加価値。
 果たしてどのくらい喜んでくれますかね。

「言ったっけ。あたし」
「出会って間もない頃にな」
「覚えてくれてたの?」
「まあ」

 実は美香の誕生日をカウントダウンしてたなんて言えるかよ。

「どうしよう」
「なにが」
「めちゃくちゃ嬉しいよぉ」
< 186 / 201 >

この作品をシェア

pagetop