オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。

 理想のデートっていえば――いい眺めの場所で、いい男から、最高級のおもてなし受けるようなことだと思っていた。

『これ。君に似合うと思って』

『限定品なんだ』

『ここ、一泊いくらすると思う?』

 お金をかけられれば、それだけ、自分を愛してくれているのだと考えた。

 でも、そんなデートに、なんの価値があったのだろう。

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