オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
水族館は、ドラマや映画に出てくる恋人にとって定番のデートスポットっていうか。
庶民的というか。
ちょっと子供っぽい気もして行きたいとか言い出しにくかったけど、本当は、一度来てみたかった。
ただの興味本位。
覗いてすぐに出るつもり、だったのに。
「……こんなのいるんだ」
名前へんてこだな。チンアナゴ。
なになに。
水槽の横にある説明文を読んでみる。
『狆という犬に似ているからチンアナゴという名前がつけられました。』
ふーん、犬から名付けられるとかあるのか。海水魚?
海の生き物というのも奥が深いな。
自由に泳ぎ回っているように見える魚たちは、どこかから連れて来られたのかな。
それともここで生まれたから広い海を知らないのかな。
エサはもらえるだろうけれど、こんなところに閉じ込められているのは、なんだかカワイソウだとも感じる。