オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。
「ねえ。大地くん」

 大地くんのとなりに移動する。ゴンドラが揺れてちょっと怖かったけど気にしていられない。
 大地くんのカラダにピタリとくっつき腕を組んだ。

「いなくなって欲しい?」
「ちけえ」
「へへ」

 なんかこれ、恋人みたいだな?

「大地くん」
「んだよ」
「チュウしよ」
「するかボケ」
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
「お前。俺を犯罪者にさせる気か」
「それはちょっと困る」
「ちょっとかよ」
「あったかいね」

 え、なにこれ。幸せ。どうしよう。

「一生ここに閉じ込められてたい」
「死ぬわ」

 最高すぎる。

「もっと二人きりでいたいな。ゆっくりできるとこ。いこーよ」
「ラブホには死んでも行かねーからな」
「……ケチ」
「明るい時間からサカんな。マセガキが」
「く、口わるい! ていうか、さっきから別人すぎ」

 ヤンキーみたい。

「あれ。明るい時間から、てことは。暗くなってからならいいの?」
「アホか。いいわけねぇだろ」

 アホって言う方がアホだよ。
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