オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


 大地くんは、ここを、あたしの居場所にしてくれるの?

「……ちゃんと、払うし」
「遠慮すんな」
「ワガママだって。いわないもん」
「言っとけ」

 離れているときも寂しくないように。
 大地くんのこと、感じられるように。

「まあ。アイス食べ放題は、ないが」
「アイス好きなの? いろいろ買って冷やしておこーか」

 なんてあったかいんだろう。

「ありふれた家庭料理なら存分に食える」
「ちょっと大地。それはないんじゃないの。私の料理は愛情たっぷりだからね」

 愛情たっぷりの、家庭料理……?

「さすが、そう何度も高校生を連れ回すわけにはいかねえ。けど、ここで一緒に飯を食うくらいなら付き合ってやれなくもない」
「……大地くん」
「素直に言いなさいよ。会いたいって」

 大地くんはあたしに好きって言ってくれないし少しも女の子として興味持ってなさそうにしてるけれど、誰よりもあたしを大事に想ってくれているね。
 
「ミカちゃん。大地のどこがいいの~?」

 海月さんから話をふられる。

「悪いやつではないと思うよ。だけど、退屈じゃない?」
「おい」

 大地くんが、海月さんを睨む。

「どうせ。キスもしてこないんでしょ」
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