オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


「そんなの若菜がする必要あるの?」
「うち、はやく家を出て独り暮らししたいんだよね」
「ひとりぐらし!?」
「自分のことくらい、自分でできるようになりたいし。生活力つけて。一円でも節約して、投資にまわす」
「……しっかりしてるね」

 トウシ? ってなに。

「あたしもスーパー行ってみようかな」
「場所によってはカード使えないとこもあるから現金持ってた方がいいかも」
「ふーん」

 大地くんと一緒に行ってみたい。
 そんで一緒にお鍋とかしたい。

 そのあとは、大地くん食べたい。

「野菜買うときのポイントとかも。あるんだよ」
「ポイント?」
「どこを見れば新鮮か、わかるの」
「そんなのプロじゃん」
「簡単だよ。このくらい」
「いい奥さんになりそう」
「んー。うち、結婚願望ないよ」
「そうなの?」
「養ってやってるって思われるの嫌だし。赤の他人との共同生活とか息苦しくて無理かな。恋愛するのは楽しいけど結婚とは結び付かない」

 若菜、こんなにドライだったの?

「ごめんね。夢壊すようなこと言って」

 ううん、人それぞれだよね。
 あたしも大地くんと出会わなきゃ結婚に対して希望を持っていなかったし。

「そういえば若菜のお姉ちゃんは、いい人見つかった?」
「どうかなー。親にすすめられた相手とお見合いしたみたいだけど、やっぱり空自と結婚したそうにしてる」
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