わかりきったことだけを、
「……怒ってないよ、ホント」
「えーホント?」
「ホント。……志葉が私の事好きすぎるって分かったからもういい」
「伝わるの遅すぎ…って、俺の伝え方が悪かったのかな。精進する」
「そーだよ。しっかりして」
「いや、うん、しっかりする」
こてん、とベッドに頭を預けた志葉。サラサラの黒髪にそっと触れると、志葉は小さく笑った。
「うぁー……浅岡」
「ん」
「俺はさ、浅岡のことまじで好き」
「しってる」
「不安にさせたくなかったのに もう2回目、……まじで俺、クソだ」
「んー、」
「ごめん、けど、すげー好きなの。信じて」
信じざるを得ないほど志葉は愛で溢れてるから もう大丈夫。志葉は私のことが大好きだし、私も志葉のことが大好きなんだ。
「私も志葉のこと'すげー'好き」
「はっ。なめんな、俺の方が好き」
「そっちこそなめないで。私はサイキョーなんだよ」
「ふうん。つか浅岡、体調もう平気なの?」
「ううん、ダメ。もうずっとダメ」
「んえー…?」
交わった視線、仲直り、消えない熱。
同じ温度、2人きりの部屋、サイキョーの愛。
「……けど、全部 志葉のせいにするから平気かも」
ね、もうホント、どうしようか。