わかりきったことだけを、





修学旅行なんかよりも志葉と2人で旅行に行きたいなぁとか、遊園地とか今度誘ってみようかなぁとかそんなことを考えていると、


「浅岡」


と、私の机の前に立った志葉が言った。



「同じグループでいい?」

「あ。うん」

「ん、決まり。で、花畑はまた浅岡のこと口説いてんの?」



志葉の視線がお花畑くんに向けられる。

ほとんどネタのようなものだ。本気でお花畑くんが私のことを狙っていないことは分かっている。
私とお花畑くんの距離は変わらないけれど、なんとなく、志葉とお花畑くんの距離は近くなった気がしていた。




「俺は彼氏持ちには手出さないってば。面白そうだから2人と同じ班に入れてって話してたの」

「ああ。まあいんじゃない」

「いいんだ」

「誰が入っても変わんねーだろ」

「まあ、もともと志葉も浅岡ちゃんも一匹狼だったし友達いないよな」

「喧嘩売ってる?」

「褒めてる」


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