わかりきったことだけを、




「運命ってホントにあるのかなぁ」



困らせてしまったかな。反省はしている。
だけどなんとなく、彼の答えが聞きたかった。



「やっぱ浅岡、変人って噂は認めた方いいよ」

「別に否定したことないしするつもりもないよ」

「…浅岡次第だと思う」

「え?だから否定したことないって。噂なんてどうでもいいし」

「違う。運命の話」




ふいに、2つの視線が交わった。




「浅岡も俺のこと運命だと思ってくれてるならそうなるし、ただの偶然だって思うなら多分そう。もしそうなら悲しいけど」




志葉はかっこいい。なんだかんだ優しい。
志葉に教えてもらう数学は分かりやすい。

一緒にいるのは、別に、悪くない。



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