わかりきったことだけを、


―――
――





「あるよ運命は」




浅岡が笑う。


恥ずかしくて「あ、そ」とそっけなく返すと、彼女は「顔あかーい」と、わざわざ言わなくていい言葉を放った。




「志葉と私は運命だよ」

「そーかな、」

「偶然と運命は紙一重なの。少なくとも、志葉と私が付き合ってるのは偶然じゃないもん」



浅岡はまっすぐだ。周りの目を気にしない。
自分がそうだと思ったことを貫いててかっこいい。



「…ホント、今日もかっけーよ浅岡」

「ふう」

「なんだそれ」



だから俺は、浅岡にだけは、俺のまっすぐな気持ちを届けたいと思うんだ。




浅岡といる時間が欲しかった。松川先生にお願いされるたびに心の中でガッツポーズした。

そしてそのたびに、(今日こそ告る)って思っていた。

だけど結局言えなくて、っていうのが2回もあった。ヘタレすぎる。超反省。


浅岡に好きになってもらいたかった。

「明日、放課後いいかしら」と先生に言われた時、絶対、絶対明日言うぞって決めた。



当日の朝、緊張しすぎて朝4時に目が覚めた。
あほくせー、だせー、俺。



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