わかりきったことだけを、






「役割はちゃんと果たしてもらわないとこまるのだよ、志葉くん」

「うん…やるけど…」

「あとどのくらいで復活する?」

「わかんない、」

「チューしたらもどる?」

「………も、どらない。戻んないよばーか」

「ちょっと迷ったね志葉」

「うるせー、」



ふ、と笑えば、志葉は上半身を机に預けたまま首だけを私の方に向けた。ムッと口をとがらせて拗ねた顔をしている。


かわいー…と思ったのは今は口にはしないでおいた方いいかな。



「時に志葉くん」

「…なーに、浅岡さん」

「このコーラを買いに行くまでの間に何があったの」

「こころを打ちのめされた」

「だれに?」

「…名前はしらない、チャラそうな1年」



ますますわからなくなった。


名前も知らないチャラそうな後輩に、この短時間で何を言われたんだ。内容によっては私がその後輩の脳天ぶちぬいてやる。

いやごめん、それはやっぱり嘘かもしれない。



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