わかりきったことだけを、
「だーっ、つかれた」
隣にいた洸太がぐーっと伸びをする。ちらりと目を向けると、バチッと目が合った。
ふー…と息を吐いたと思ったら、「進んでる?」と私のノートを覗きこんできた。突然近くなった距離にドキッとする。
「わかんないとこあったら言えよー」
「…教えるの下手なくせに」
「うるせ」
パタンと参考書を閉じ、あたしも洸太と同じように伸びをする。肩がこってきたからひとまず休憩しよう。
ふと時計を見ると、12時半を指していた。
志葉くんの家に来たのが10時頃だから、なんだかんだ2時間以上勉強してたんだ。
そりゃ、ゆらのちゃんもお腹空くよね。
ゆらのちゃんと志葉くんは未だ同じ数式を解いているみたいだ。