わかりきったことだけを、






あたしの言葉に被せて言われたそれ。


握られた手に再びぎゅっと力が込められる。恋人繋ぎじゃ無いはずなのに、その強さは少し痛いくらいだ。



「なぁ、ちゃんとわかってんの?」

「わかるってなにが…」

「弥生は俺の彼女なの。やっとこうなれたのに そう簡単に離すわけねーだろバカかよバーカ」

「っ、」

「ホント、バカ」




この数分でめちゃくちゃバカって言われた。つらい。ひどい。

……でも、ホント バカだった、あたし。



「…洸太、あたしのこと大好きだもんね」

「よく言う。それは弥生だろ?おまえホント俺のこと、」

「うん。大好き」




大好きだから離さないでほしいって思うんだ。大好きだから、一緒にいるんだ。


花畑 洸太のことが、あたしは世界で1番好きだから。


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